RPAを活用!?ITなくして働き方改革なし

 2019.05.31  ビジネスプロセス改革推進室

ほぼすべての企業や組織で大きなテーマとなっている「働き方改革」ですが、みなさんはどのような取り組みを検討されているでしょうか。国会での労働基準法改正の審議などもニュースになり、やはり働き方改革は労務管理制度の改革であるととらえられている方も多いのではないでしょうか。しかし、そうした取り組みだけで現在求められている「改革」は実現できるでしょうか?

答えは論理的には「イエス」ですが、現実的には「ノー」と言えるでしょう。確かに労務管理制度の変更や意識改革によって、たとえば在宅勤務制度が採用されたとしても、ただ家にいたのでは仕事になりません。現実的にはITを活用し、自宅でも会社にいるのと同様な仕事ができないと意味がないわけです。

労務管理制度の改定だけではそれを支える仕事の基盤は整いません。さらに意識改革だけでもそれを行動に移すことは難しいでしょう。よって「IT活用なくして働き方改革なし」。今回は働き方改革を実現するためのIT活用について、よく検討に挙げられるツールに照らし合わせてご紹介します。

働き方改革の目的とは?

内閣官房が主体となって推進する働き方改革は、日本の少子高齢化や労働人口減少という社会構造の変化に対応し、経済成長を持続するための大きな取り組みです。多様な事情をもつ従業員一人ひとりに適した働き方を受け入れることで、これまでは育児や介護、その他の家庭の事情などによって退職を余儀なくされていた人たちを活用し、社会全体の労働力の維持と生産性の向上を目的とします。

一方で、企業や組織のレベルでは、より具体的なビジネス上の課題を解決するために働き方改革の旗が振られているのではないでしょうか。より優秀な人材の確保のためであったり、より少ない人数でより多くの業務量をこなさねばならなかったり、グローバル化によってより多様な人材を受け入れなければならなかったりです。

いずれにせよこれらの目的を達成するためには、単なる制度改革だけでは実現は難しいといえるでしょう。労働生産性を高めて競争優位性を確保するということと、より付加価値の高い仕事を提供することで優秀な人材を惹きつけること、これらは異なることのようで、根底ではつながっている課題です。

より効率的な業務を組立て、人は単純作業から付加価値の高い仕事にシフトしてゆくことが共通した解であり、その実現にはITの活用が必須なのです。

社内業務に関係する代表的なITとは?

今やIT活用といっても、実に多様な種類がありあらゆる場面で利用しています。その中でも特に社内業務に密接な役割を持つものについて改めてご紹介します。

ERP(エンタープライズ・リソース・プランニング)

ERPはビジネスに不可欠な業務アプリケーションを統合したITです。顧客管理、営業支援、財務会計、生産管理などなど、あらゆる業種や業態向けに業務アプリケーションと言われる統合型のソリューションが提供されています。

ERPを導入するメリットは「全社最適化」です。アプリケーションが分散していたデータベースを取り囲むことで、今まで発生していた二重作業を排除したり、部門同士の連携力を高めて業務効率を高めることを目的に導入されることが一般的です。

ところが、いざシステムの利用を開始すると、優先度の高い業務に機能が偏っていたり、派生系業務や新たに必要となった処理を追加しようとするとカスタマイズが発生するなど、システムによる業務の硬直化を招いているケースも見逃せません。

より効果的にERPを活用するためにも、定期的に業務処理能力の把握や、業務自体のプロセスの適正化など、効果的に利用するためのチェック機能が大切です。

グループウェア

グループウェアは組織のコミュニケーション力や社員のコラボレーションを高めるためのITです。在宅勤務やテレワークに代表されるように、仕事する場所に依存せず、全体の生産性を高めることでも注目を集めています。

基本的な用途としては、ビジネスメール、ファイル共有、ポータル、チャットツール、WEB会議といった機能を集約することで、社員の日々の業務をサポートするツールで、PCやデバイスの進化と合間って、常に進化を続けているソリューションの一つと言えます。

現在の傾向としてもっとも顕著なのが、スマートデバイスを活用した新たなコラボレーションツールとしての役割です。総務省が発表している「通信量からみた我が国の音声通信利用状況」では、IP電話を含む固定電話の使用量がここ6年間で約40%減少しているとの調査結果からもわかる通り、社内でのコミュニケーション方法そのものをグループウェアを介して行われる時代に代わり、一層その役割は重要になっています。

選択するツールや使い方の工夫次第で、「業務効率」といった単独の目的に止まらず、「働き方」そのもの大きく変革するきっかけとして、多くの企業で注目されています。

RPA (ロボティック・プロセス・オートメーション)

「働き方改革法案」がもっとも注力している施策として「総労働時間の削減」が挙げられます。2019年4月から「大企業」と限定しているものの、順次法令の施工が開始されています。この流れを受けて、今もっとも注目されているツールが「RPA (Robotic Process Automation:ロボティック・プロセス・オートメーション)」です。

RPAとは、多くの従業員が時間を割いている「単純な事務処理」などを、ユーザーが開発したロボットによって自動化し効率化するものです。ロボットといってもソフトウェアなので実体はありません。あくまでユーザーが定義した作業手順に従って、パソコン作業を自動化するものです。

RPAの特長は「低コストで高い業務効率化効果をもたらす」という点です。導入コストは、事務処理のために人を雇用するよりは一般的にかなり安価であり、かつ休む必要もなく、またミスなく働いてくれるため、うまく活用することで非常に多くの業務を高い品質で処理することが可能となります。

一方で、いくつか課題も指摘され始めています。一般的にRPAと一言で言われる自動化ツールですが、実態の多くは「RDA(Robotic Desktop Automation:ロボティック・デスクトップ・オートメーション)」としてデスクトップ上で稼働させるものが多く、その実装範囲は入力自動化など、業務の一部の処理に限定されることが多く、業務全体最適やそもそもその業務が必要なのか?と言った、根本的な課題を解決するものではありません。

単純化された業務ほどに効果を挙げやすい反面、判断が必要であったり、多くの例外処理が必要な業務に対しては不向きであるため、RPAを検討する際には、「業務プロセス全体の見直し」も進め、適切な導入範囲を選定することが効果を上げる近道と言えます。

業務改善のための第一歩

いかがでしょうか。多くの企業が取り組んでいる「働き方改革」を実現するためには、様々な形でITを活用する必要があることは、お分りいただけたかと思います。一方で、ITシステムを活用するための業務であってはならないのも事実です。

新しいビジネスやサービスを開始するタイミングでは、比較的実現手段として使用するツールやソリューションに目星をつけ、検討を進めることも多いと思います。ところがすでに定着している業務の場合は、関係する部門やシステムも多岐に渡ることが多く、どこがボトルネックになっているかを把握するための「業務分析」は不可欠となります。

様々な便利なツールやテクノロジーが誕生する中、あえて「現在の業務のあり方」を見つめ直し、「課題点」を見つけ出すことが、「働き方改革」を成功させる大切な第一歩と言えます。

業務の見直しを進めるためには、関係部門や社員の協力が不可欠です。また、実施するメンバーの選出や分析方法、プロジェクトの進め方など、確実に遂行するためには重要なポイントも多く存在します。専門のコンサルティングに依頼することで、客観的な評価を行うことも効果的です。

エキスパートによる業務分析や、業務量調査が簡単に行えるツール『BPEC』など、本サイトでも業務改革の進め方について役立つ情報を提供していますので、ぜひご活用ください。

業務課題への最速アプローチ手法 BPECとは
業務改善において陥りがちな罠

是非、皆様のプロジェクトにお役立ていただければ幸いです。

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