業務の「可視化」とは

 2018.05.15  ビジネスプロセス改革推進室

可視化とは「人間が直接見ることのできない現象や物事の関係を画像、グラフ、図、表などを用いて目に見える状態にすること」です。たとえば皆さんが日々行っている業務には、一連の流れがあるかと思います。一つひとつの業務内容はハッキリと目に見える形で表されますが(資料作成やシステムデータ入力等)、「業務の流れ(業務プロセス)」は目には見えないものです。

この目に見えない業務プロセスをハッキリと見えるようにするために業務フロー図などを作成し、誰もが等しく理解できるように可視化させます。今回は業務における可視化について詳しく説明していきます。

なぜ業務可視化が大切か?

何事にも作業を効率良く進めるための一定の流れというものがあります。カスタマーサポートなどイレギュラーな対応が多い業務ではそうした流れは少ないですが、定型的な業務では必ずその流れが存在します。作業を効率良く進めるための流れがある状態と無い状態とではどういった違いが生じるでしょうか?

≪作業を効率良く進めるための流れがある≫

  • 誰もが同じ手順で同じ作業ができる
  • 業務に不慣れな人でもできる
  • 特定の人しか作業ができない状況を作らない
  • 作業効率が良いと生産性が上がる
  • ≪作業を効率良く進めるための流れが無い≫
  • 各人バラバラの手順と方法で作業を進めてしまう
  • 業務に不慣れな人はできない
  • 特定の人した作業ができない状況になる
  • 作業効率が悪く生産性も低い

このように、作業を効率良く進めるための流れがあるか無いかでは、その組織が生み出す付加価値や生産性、業務リスクは大きく違います。

ほとんどの企業では作業をそうした流れが確立していることでしょう。しかし、果たして本当に最も効率の良い流れなのでしょうか?これを知るためにはまず、改めて業務流れを目に見えて整理する必要があります。

何となく流れは確立しているものの明確にマニュアルとして用意されている環境は意外と少ないものです。そこで業務可視化がとても大切になります。現状の業務の流れや作業手順、作業内容をハッキリとマニュアルで明確にすることで、現在の業務プロセスを見直すことができるのです。

つまり、業務可視化は「業務改善」を成功させる上で欠かせない存在ということです。

「可視化」と「見える化」の違いとは?

可視化と同じくらい使われる言葉が「見える化」です。2つの言葉の違いに関しては諸説ありますが同義として捉えて問題ないでしょう。ただし、社内でこれらの言葉を使い分けるなどするとより効果の高い業務改善を実施することができます。

たとえば、可視化は「物事をハッキリと見えるようにすること」として見える化は「特定の行動をせずとも物事が見える状態にすること、といった言葉の違いを持たせるとより深みのある取り組みができるでしょう。

最終的には様々な問題を見える化することで、問題に対して迅速に対応できる環境を整えられます。

業務可視化のメリットとは?

では、業務を可視化することに具体的なメリットとは何でしょうか?業務改善を成功させられるということはもちろんなのですが、それよりも「属人化を排除できる」というメリットの方が大きいでしょう。属人化とは「スペシャル化」とも言って、ある業務が特定の人しかできない状態を指します。

たとえば工場の製造ラインにおいてAとBとCというプロセスが生じるとします。各プロセスに作業員が一人ずつ配置され、一連の流れでプロセスが完成します。Aのプロセスにあたる作業員をAさん、Bのプロセスにあたる作業員をBさん、Cのプロセスにあたる作業員をCさんとしましょう。

AさんはAのプロセスしかできない、BさんはBのプロセスしかできない、CさんはCのプロセスしかできないという状況がいわゆる属人化です。たとえばAさんが急病で休んでしまった場合、誰もプロセスAを遂行できないため製造ラインが止まってしまいます。少し極端な例ですが、これが属人化のリスクです。製造業ではなくデスクワークにおいても属人化により困ったという方は多いでしょう。

こうした属人化された状況を排除し、AさんもBさんもCさんも、さらに言えばDさんやEさんもすべてのプロセスができるようにすれば、リスクが無くなり製造ラインがストップしてしまう可能性も無くなるでしょう。

業務可視化により業務プロセスの流れや作業手順、作業内容を明確にすることで属人化を排除することは、企業の生産性を大きく向上することに繋がります。

業務可視化の方法とは?

業務可視化とはどのようにして行えばよいのか。まず大切なことは、業務に関わる従業員や責任者を巻き込んで可視化していくことです。業務改善にあたって専任担当者が就く場合が多いかと思います。しかし担当者が資料をかき集めて独自の業務プロセスを定義するのは非常に危険です。少しでも業務可視化が正確にされていないと、業務改善が正しく進みません。

そこで可視化する業務プロセスに関わる従業員や責任者を巻き込みながら定義していきます。そうすることで正確な業務可視化ができるため、業務改善の効果を高められるでしょう。

もう一つ大切なことは「ツールを活用すること」です。ツールとは業務可視化を効率良く行うためのフレームワークのことです。たとえば日本能率コンサルティングでは次のようなツールが紹介されています。

業務体系

業務タイプ

備考

大分類

中分類

1

清掃

1.1

売り場清掃

固定

1日3回実施

1.2

バックヤード清掃

固定

1日2回実施

2

レジ

2.1

レジ清算

変動

 

2.2

レジ備品

補充

固定

 

3

商品補充

3.1

商品

荷受

固定

特定の時間

3.2

商品陳列

変動

 

参考:株式会社日本能率コンサルティング「計画的な業務割当による人時生産性向上

これは業務体系と細かい作業を明確にするためのツールで、業務を「大分類」と「中分類」に分けて業務内容を記載していきます。業務タイプが売り上げに関係なく「固定」で発生するのか、売上に応じて「変動」するのかも記載します。こうすることで業務手順と業務内容および業務タイプを瞬時に見分けることができ、業務可視化を助けるでしょう。

さらに業務体系を「小分類」にまで分けて細かく業務内容を記載する方法もあります。

これ以外にも業務フローを明確にするBPMN(ビジネスプロセスモデル表記)も有名です。BPMNは国際標準にもなっており、共通ルールのもと業務フローを記述していくことができます。皆さんも見たことがある線や図を使って業務フローを明確にする全体図が完成するので、異なる部門の関係者間で業務内容を理解するのに最適です。

さらにBPMNはBPEL(ビジネスプロセス実行言語)というプログラミング言語に落とし込み、そのままシステムの業務フローに落とし込むことも可能です。

業務可視化で生産性を向上しよう

働き方改革が叫ばれている現在、すべての企業にとって業務改善は重要な経営課題です。その第一歩としてまずは業務可視化に取り組んでみてください。改めて業務を可視化することで初めて見える問題もあります。関係者や責任者を巻き込み正確な業務可視化ができれば、効果の高い業務改善に向けた取り組みができるでしょう。

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