業務プロセス可視化の必要性を5分で理解する

 2017.05.29  ビジネスプロセス改革推進室

ビジネスプロセス管理、あるいは業務プロセス改善に取り組んでいる企業にとってその目的は様々です。また、個人単位で仕事改善に取り組んでいるところもあれば、IT投資により大規模な経営改革を行っている企業もあるでしょう。 

また、これらはほんの一例であり、企業の数だけでBPMや業務プロセス改善の目的や規模が異なります。

ただし共有していることが一つあります。それは、何をおいても「業務プロセス可視化」が重要な課題ということです。さらに、目的や規模が異なっているとしても、業務プロセス可視化の基本は同じです。

今回は企業のBPM取り組みを促進するためにも、業務プロセス可視化の基本やメリットをわかりやすく解説します。

業務プロセスの可視化はなぜ必要?

業務プロセスとは企業とそのステークホルダーを取り巻く様々な業務手順と仕事内容を表したものです。これを「可視化する」とは、業務プロセスをわかりやすく図式化して、測定できるようにするということでもあります。

業務プロセスが可視化されていなければ問題を特定することはできません。業務プロセスを測定できなければコントロールすることはできません。すなわち、業務プロセス可視化とは「改善」と「管理」を行う上で不可欠な要素なのです。

業務プロセス改善に役立つ可視化の基本

業務プロセスを可視化する基本は「サイロ化」です。サイロ化とは個々の要素が独立した状態を指した言葉で、業務プロセスを全体として捉えるのではなく、細かくサイロ化された業務プロセスを可視化することで問題特定とコントロールを実現します。

例えば組織全体を一つの固まりとして捉えた場合、なぜ利益が発生しているのかを知ることは困難です。しかし組織内の各部門、さらには各部門が持つ業務プロセスにサイロ化して考えれば利益を生み出す「仕組み」を理解できます。

野球においても最終的な得点を見ただけで勝因や敗因を理解することはできません。1回ごとの成績や試合の流れを把握することで、初めて理解することができるように、ビジネスでも同じことが言えるのです。

業務プロセス可視化のメリット

業務プロセス可視化は問題特定とコントロールという重要な役割を持ちます。その他に、可視化することでどのようなメリットがあるのでしょうか。 

複雑な業務プロセスごとの繋がりが見えてくる

所属する部門の業務プロセスを理解していることは当たり前のことですが、その業務プロセスが他部門のどの業務プロセスと絡み合い最終的な利益に繋がっているかを把握している方は少ないでしょう。経営者ですら、企業全体の業務プロセスの繋がりを把握することは困難です。

日本全国を走る道路のように、部門間をまたいで複雑に展開される業務プロセスの繋がりを可視化するのは、BPMにおいて最も重要な要素の一つだと言えます。 

関係者全員が共通認識のもとプロジェクトを推進できる

BPMや業務プロセス改善に関わる関係者は、皆が等しく業務プロセスの全体像を把握しておく必要があります。しかし、業務プロセスが可視化されていない状態ではそれぞれに異なった解釈をしてしまい一貫性を持ちません

従って業務プロセスを可視化することで、関係者全員が共通認識のものとでプロジェクトそ推進していくことができるのです。

業務プロセスの再設計が簡単になる

誤解しないでいただきたいのは、業務プロセスの再設計は決して容易ではないということです。しかし業務プロセスが可視化されていれば、それ以前の環境よりもはるかに再設計を簡単にすることができます。

また、BPMI(ビジネスプロセスモデリング表記)を使用して業務プロセスのモデル図を作成すれば、再設計した業務プロセスをBPEL(ビジネスプロセス実行言語)として直接システムに落とし込むことも可能です。

業務プロセス改善にKPIを活用しよう

KPI(キーパフォーマンスインジケーター)とは、ある目的を達成する上で重要な評価指標のことです。「重要業績評価指標」とも言われていますが、噛み砕いて言えば「最終的なゴールに対する中間ポイント」でしょう。

マラソンにおけるゴールが「49.195km2時間というタイムで走りきる」ならば、KPIは「各中間地点における走破タイム」です。

各中間地点ごとに設けたKPI(走破タイム)を達成していれば、最終的な目標(49.195km2時間)へ順調に近づいているかを知ることができます。

問題があれば調整を加えることができますし、順調に進んでいる場合もさらに改善を加えたり、安全圏に入っているかどうかなどを知ることもできます。

KPIのサイロ化して考えよう

業務プロセスの可視化にはサイロ化が重要だと説明しましたが、KPI設定においてもサイロ化が重要となります。例えばBPMの目的が「納期短縮」だとして、KPIはどのように設定すればいいでしょうか。

第一に、顧客から注文を受けてから納品までのタイム(期間)KPIとして考えることができます。しかし受注から納品までには様々な業務プロセスが存在し、それらが関わり合うことで最終的な納品タイムを生み出すのです。

つまり、受注から納品までのタイムは「最終的なゴール」として考えるのが妥当で、受注から在庫確認のタイム、在庫確認から納期回答のタイムなどサイロ化された状態でKPIを設定する必要があるのです。

細かい要素にわけてKPIを設定することで業務プロセス改善を正確に測定することができますし、コントロースすることもできます。また、どこに問題があるかも把握できるので、KPI設定は業務プロセス可視化に並ぶ重要な要素です。

 業務プロセスの可視化を正しく行うためには

KPI設定に少し話が逸れましたが、業務プロセスは正しい手順で行う必要があります。第一に「共通認識のもと業務プロセスを可視化していく」ということです。

前述したBPMI以外にもアクティビティ図やEPC(イベントドリブンプロセスチェイン)など、業務プロセスを可視化する方法は様々です。しかし、各関係者が異なった可視化方法を取ってしまうと関係者間でまったく違った業務プロセスの認識をしてしまったり、各業務プロセス図を統合するといった無駄な業務が発生します。

従って業務プロセスを可視化する際は方法を統一した上で行う必要があります。

そして、業務プロセス図を作成する際はITシステムを活用するのが基本です。Office製品のPower PointVisioでもフローチャートを作成することができますが、世界標準でもあるBPMIの作成はサポートされていません。

迅速かつ的確なBPMを目指すのであれば、標準化されたBPMIを使用するのはやはり必須です。そのためにはBPMシステムなど、業務プロセス改善を支援するシステムを活用するのがベターです。

まとめ

業務プロセス可視化は難しく考えず、始められるところから始めるというのが大切です。企業が持つ細かい業務プロセスを全て可視化するとなると、それこそ莫大な時間が必要になります。また、非定型処理などパターン化されていないものもあるので、現実的に全ての業務プロセスを可視化する事は困難です。

ですので、まずは身近な業務プロセスと、それに関連する業務プロセスを可視化していくことでBPMや業務プロセスを推進していきましょう。

業務プロセス改善の進め方まるわかりガイドブック

RECOMMEND関連記事


RECENT POST「ビジネスプロセスについて」の最新記事


この記事が気に入ったらいいねしよう!