生産管理システムに求められる6個の要件

 2017.09.01  ビジネスプロセス改革推進室

生産管理システムを開発するにあたって、重要な6つの要件があります。それは、以下のようなものです。

≪生産管理システムに求められる6つの要件≫

  1. 多種多様な生産方式に対応できる
  2. 業務形態に合わせた資料作成サポート
  3. 適正な発注・生産指示を行える
  4. 各種情報をリアルタイムに確認できる
  5. 拠点ごとに情報管理、生産指示が行える
  6. アラート機能で管理漏れを防ぐ

今回は、これらの業務プロセスの要件について詳しく解説していきます。

要件1.多種多様な生産方式に対応できる

製造業においては、同じ工場内でも製品の特長によって、生産方式が異なる場合があります。主な生産方式としては、次のようなものがあります。

≪見込生産≫

市場の需要を予測し、生産者が製品の企画・設計・開発・製造を行い、不特定多数の顧客に対し製品を提供する生産方式です。一般に、大量生産のほとんどは見込生産に該当します。

≪受注組立生産≫

ベースモデルを基準に、様々なオプションを付け加えることである程度のカスタマイズが可能な生産方式です。PCメーカーや自動車メーカーでは、ベースモデルに顧客が自由にオプションを付けることができるので、受注組立生産に該当します。

≪繰返し受注生産≫

顧客が提示した仕様設計に応じて、大量生産する生産方式です。自動車メーカーではモデルごとに異なる部品を大量生産しなければなりません。そのためには、仕様設計に応じた生産に対応した会社へ、大量生産を依頼する必要があります。繰返し生産とは、いわゆる下請け会社が主に行う生産方式です。

≪個別受注生産≫

製造機械など、用途に応じて異なる仕様設計が必要な製品の場合、個別受注生産を行います。製造機械以外にも、情報システムなどもこれに該当します。

このように、工場内で異なる生産方式を取っている場合、生産管理システム一つですべてに対応しなければなりません。複数の生産方式を取っていない場合でも、将来の事業拡大を考え、複数の生産方式に対応させましょう。

要件2.業務形態に合わせた資料作成サポート

生産管理の現場では、大量の資料を作成する必要があります。基準生産日程計画、生産計画、調達指示、工程管理など実に多様です。これらの資料作成業務は非常に手間となります。しかし、製品のQCD(品質、コスト、納期)を維持するためには、欠かせないものばかりです。

一般に、大多数の生産管理システムは、そうした資料作成をサポートしています。しかし、専門的な技術資料となると、実装していない場合がほとんどです。

QC工程図、作業指示書などの技術資料に関しても、生産管理システム上で作成できると、作業効率が大幅にアップします。

要件3.適正な発注・生産指示を行える

円滑な生産業務を遂行するためには、適正な発注・生産指示が必要です。そのためには、いくつかの判断基準によって、発注・生産指示のタイミングを判断します。

≪MRP(資材所要量計画)≫

生産管理システムにおいて、最もポピュラーな資材調達基準がMRPです。MRPは1980年代に世界の製造業で浸透し、現在でも多くの企業が活用しています。MRPではまず、BOM(部品表)を作成し、製品一つあたりに必要な部品と工程を明確にします。その上で、基準生産日程をベースに、その時期に必要な資材調達数を割り出します。あとは、仕入先の納品日程を確認した上で、適切なタイミングで適切な量の資材を現場に供給する方法です。

≪独立需要品目≫

最終完成品や修理品など、必要になる資材が明確に判明している品目を指します。この品目の送料に応じて設定した生産計画が、MSP(基準生産日程)となります。

≪従属需要品目≫

必要時期や必要量、あるいは独立需要品目から算出できる部品を従属需要品目といいます。

≪BOM(部品表)≫

サマリー型部品表ともいわれ、製品一つを製造するために必要な部品と、その親子関係、さらに作業工程を示した資料です。BOMは先に紹介したMRPにおいて、最も重要な要素であり、生産全体に必要な資材量を把握することができます。

この他にも、発注・生産指示のタイミングを判断する材料は様々なものがあります。生産管理システムでは、こうした判断材料の作成や、情報管理をサポートしている必要があります。

要件4.種情報をリアルタイムに確認できる

生産現場では、常に生産計画通りにことが運ぶわけではありません。ときに、資材調達の遅延や機会設備のトラブルによって生産が停止します。こうした生産の遅れを回避するためには、リアルタイムな情報確認で、問題発生をいち早く察知することが大切です。

調達、作業、生産の進捗は指示通り行えているのか?生産管理システム上で、こうした情報を確認できれば、生産停止のリスクは大幅に回避できるでしょう。

加えて、様々な視点から情報確認できることがベストです。部門別進捗、手配別進捗など、複数視点からの情報確認で、生産状況を明確に把握できます。

要件5.拠点ごとに情報管理、生産指示が行える

大規模な生産業務を行っている場合、異なる工場拠点を持っているケースがほとんどです。このとき問題になるのが、拠点ごとの情報管理と生産指示です。理想は、異なる工場拠点ごとに正確な生産指示を出し、かつ各工場の情報を「一元管理」することです。

生産指示を出す本社としては、各工場の生産状況をや負荷状況を把握しながら、都度適切な生産指示を出していかなければなりません。しかし、複数工場の情報が分散してしまっている状況では、これが難しくなってしまいます。

もちろん、各工場の情報を一度本社で収集し、整理することもできます。しかし、そうした情報収集には手間も時間もかかり、なおかつ情報を加工する作業まであります。これでは、本社はリアルタイムな生産状況を確認しながら、生産指示を出すことができません。

そこで、生産管理システムに「拠点ごとの情報管理と生産指示」という要件があれば、この課題をクリアできます。この対策として、VPN(仮想プライベートネットワーク)の構築や、クラウド型生産管理システムの導入が挙げられます。

要件6.アラート機能で管理漏れを防ぐ

最後の要件は、意外と重要な「アラート機能」です。要件4にて、各種情報をリアルタイムに確認できることが大切、と説明しました。しかし、人が常にそれらの進捗情報を確認し、生産状況を把握するということは非効率であり、現実的に考えて不可能です。そこで、生産管理システムにアラート機能を実装します。

アラート機能とは、予め設定した「しきい値」に対し、その値を超えた場合に警告を出すという機能です。たとえば、調達資材が無くなり、予備資材が投入されるようになると警告されるよう設定しておけば、この問題を察知して早急に対策を取ることができます。

結果、生産遅延を防ぎ、製品のQCDを維持することに繋がります。

まとめ

以上が、生産管理システムに必要な6つの要件の詳細です。現在、生産管理システムの開発・導入を行っている。あるいは、ERP(エンタープライズ・リソース・プランニング)の導入を検討しているという企業は、今回紹介した要件と照らし合わせつつ、開発や製品選定に臨んでいただきたいと思います。

生産管理システムは製造業の要であるからこそ、明確な要件を設け、慎重な開発・導入を進めていくことが大切です。また、業務を全体の効率を見直し、ビジネスプロセスを改善を継続的に行うことも求められます。

BPECを用いた業務改善プロジェクトの進め方

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