業務改善を提案する際に気をつけたいポイント

 2017.08.07  ビジネスプロセス改革推進室

業務改善を実践し、コスト削減や業務効率のアップなどの効果を得ることで、現状から一歩成長したいという企業は多いでしょう。あるいは、企業に貢献したいという気持ちから、積極的に業務改善に取組むビジネスパーソンも多いかと思います。

一口に業務改善といっても様々なものがあります。しかし、業務改善を行ったからといって、必ずしも業務上に効果が発生するというものではないのです。「業務改善」と銘打って様々な施策を展開しても、逆効果になってしまうケースもあります。

そうした失敗を避けるためには、業務提案の段階から、いくつかのポイントを守って提案しなければなりません。今回は、そのポイントについて解説していきます。

提案フォーマットを作成する

業務改善に失敗してしまう企業の特徴の一つとして、「業務改善のための提案フォーマットが存在しない」というものがあります。特に、組織レベルでの業務改善が推進していない企業に多い特徴です。

提案フォーマットが存在しない、提案ごとに異なる資料が作成され、明確な判断基準が整えられません。従って、業務改善提案フォーマットを作り、皆が同じ提案書を作成できるようにすることが大切です。

≪提案フォーマットに記載すること≫

  • 改善が必要な場所
  • 改善が必要な目的
  • 実際に起きている問題
  • 改善の方法
  • 改善への体制
  • 改善にかかる時間とコスト
  • 改善スケジュール
  • 改善後の効果

 業務改善の提案フォーマットでは、以上の基本事項を含めて作成しましょう。

QCDを意識した提案をする

QCDとは「Quality(品質)」「Cost(コスト)」「Delivery(納期)」の頭文字を取ったもので、業務改善を促進する上で、常に意識しなければならないポイントです。つまり、一つ一つの業務改善は、すべてQCDの向上・削減・短縮に繋がる必要があるということです。

例えば業務改善によって何らかの業務効率アップが実現すれば、コスト削減と納期短縮に繋がります。さらにサービス提供の高速化を実現すれば、品質向上という効果もあります。このように、業務改善が成功すれば、必ずQCDの改善へとつながります。

反対に、QCDに繋がらないような業務改善は、実施する効果がないということです。だからこそ、業務改善では常にQCDを意識し、すべての要素を達成するようなものでなくてはなりません。

≪QCDを上手く意識するために≫

とはいっても、業務改善で常にQCDを意識することは難しいのが現実です。そこで、QCDそれぞれの目標を定めることで、常に意識することができます。こうした目標を俗に「KPI(重要業績評価指標)」といいます。

KPIとは、最終目標を達成するための中間ポイントのようなもので、たとえば年間100万円のコスト削減が最終目標なら、毎月10万円のコスト削減をするというのがKPIです。実際はこのように単純なものではなく、多少複雑なKPIを設定します。そうすることで、KPIを意識することが、最終目標のQCD改善を意識することにつながります。

改善の効果と、それにかかる時間を明確にする

業務改善は、経営陣の承認が下りなければ意味はありません。そのため、経営陣を納得させるたけの提案書が必要です。提案が通らない業務改善の特徴としてよくあるのが、改善の効果とそれにかかる時間が不透明、ということです。

業務改善を行うことでどんな効果があるのか?その効果が表れるには、どれくらいの時間がかかるのか?業務改善もあくまでビジネスの一環なので、この2点が明確になっていなければ、提案が通るわけもないのです。

例えば会計システムを導入する場合、どのシステムを導入することでどのような業務効果があるのか、効果が表れるまでにどれくらいの期間がかかるのかが、明確になっていない製品を導入しようとは考えません。

一方、「弊社の会計システムを導入すれば、従来に比べ50%業務効率がアップします」や、「御社の場合なら、導入後6ヵ月ほどで効果が表れはじめるでしょう」と、導入の効果とそれにかかる時間が明確になっていれば、具体的なイメージも沸きやすく、導入しようという気になります。

これと同じように、業務改善提案でも実施効果とそれにかかる時間が明確でなければ、経営陣を納得させることはできません。

現状の問題について調査を入念に行う

実施効果とそれにかかる時間と同じように、現状の問題についても明確になっていなければ、正しい業務改善提案はできないでしょう。先ほどの会計システムの例でいえば、自社が抱える問題を理解していない提供事業者に、いくら「50%業務効率がアップします」や「導入後6ヵ月ほどで効果が表れはじめるでしょう」と言われても、それを信じられる道理はありません。

反対に、自社が抱える課題を深く理解していて、それに沿った提案をしてくれる提供事業者なら、信頼して会計システムを導入するでしょう。

このため、業務改善提案においても、現状の問題を理解することはとても大切です。

改善後に発生し得るトラブルを予測する

業務改善を実施することで効果があると分かってはいても、必ずしも計画通りにいくとは限りません。むしろ、様々なトラブルが発生する可能性もあります。そのため業務改善提案時は、トラブル発生の可能性を考慮し、発生しうるトラブルを予測して、それを回避するための対策や発生した際のシナリオを設定する必要があります。

ここまでの内容を揃えて、初めて経営陣が納得する業務改善提案書ができるでしょう。

業務改善を促進するためのBPMとは

ビジネスプロセス管理(BPM)とは業務改革手法、及びそれを実現するためのITシステムです。業務改善を実施したい企業にとって、とても重要なキーワードとなります。

その概要を簡単に説明すると、現状のビジネス・プロセス図を作成し、問題点を洗い出し、改善のための施策を考えます。施策展開後は、その効果を追跡し、評価し、必要に応じてさらに改善を加えていくことです。

簡単な業務改善であっても、BPMを取り入れるだけで取組み精度が劇的に向上し、改善実施後のトラブルも減少させることができます。

業務改善とは少なからず「従来のやり方から、より良い方法へ変える」ということです。しかし、組織内にある業務は、それ自体が単体で存在しているわけではありません。様々な業務が積み重なって、一つのビジネ・スプロセスを形成しています。

このため、業務改善のために仕事のやり方を変えると、他の部分に影響が出てしまう可能性があります。「こっちを立てれば、あっちが立たず」では、業務改善を実施する意味はありません。そこで、BPMを取り入れてビジネス・プロセス全体を見つめながら業務改善を行うことで、より効果の高い改善を実施することができるのです。

まとめ

今回の内容を踏まえ、皆さんに覚えておいていただきたいことは「成功する業務改善は、正しい提案から」ということです。正しい提案がなければ、効果の出る業務改善もありません。従って、本稿で紹介したポイントをしっかりと押さえた上で、業務改善提案を行っていただきたいと思います。

さらに、BPMという業務改革手法とITシステムを導入することで、さらに適切な業務改善を目指しましょう。

BPECを活用したプロセス改革のリアル

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