業務改善案の作り方

 2017.08.09  ビジネスプロセス改革推進室

業務改善を実施する上で、業務改善案の提出は必須です。しかし、なかなか良質な業務改善案が出ないという企業が多いのではないでしょうか?効果の高い業務改善を実施するためには、やはり良質な業務改善案が重要です。ここでは、そうした改善案が多く上がるための環境についてお話します。 

業務改善案の提出がノルマ化していませんか?

良質な業務改善案が多く上がってくる環境を作るために、まず現状を見つめ直すことが大切です。実は、業務改善案を提出するという文化が、原因になっていることも少なくありません。

例えば、社員一人一人に毎月一つの業務改善案提出をノルマ化してはいないでしょうか?そもそも「業務改善」とは、日常の中でいくつも存在するものではありません。本来は現状可視化から問題特定などの手順を踏んだ上で、効果の高い業務改善を優先的に実施していきます。このプロセスを理解していれば、毎月一つの業務改善案提出が、どれほどの苦行であるかも理解できるでしょう。

しかし、そうした「悪しき習慣」は往々にして存在します。特に、経営トップから「現状を何とかしろ」という漠然として命令のみで組織が動いている場合、こうした悪しき習慣が蔓延しがちです。

従って、良質な業務改善案が生まれる環境を作りたいのであれば、まずは現状を見つめ直し、悪しき習慣や非効率な作業を廃止しなければなりません。

 

良質な業務改善案とは何か?

では、そもそも「良質な業務改善案」とは何でしょうか?まずは、「業務改善」の定義から確認していきます。

業務改善とは、顧客に価値を提供するための業務プロセスを見直し、改善することで、提供価値を高めることだと言えます。「業務」が企業資源を活用して提供価値を生み出すものだとすれば、「改善」はその価値を高めるための活動、ということです。

この定義をもとに考えれば、良質な業務改善案とは、効果の高い業務改善を実施するための、決定的な改善案です。良質な業務改善案を多く生み出すことで、継続して効果の高い業務改善を実施することができます。

業務改善に成功している多くの企業は、こうした良質な業務改善案を生み出すための、環境が整っているのです。

良質な業務改善案を生み出す環境を作るために

ここで、良質な業務改善案を生み出す環境を作るための、具体的な方法について紹介します。

「業務改善」を明確に定義し、全体で共有する

「業務改善」の定義については先に紹介しましたが、必ずしも同じ定義である必要はありません。自社が追求する目標に対し、業務改善はどうあるべきかを考えれば、企業によって業務改善の定義は異なります。

大切なのは、明確に定義し、全体で共有することです。定義した業務改善を全体で共有することで、関係者全員が同じ認識のもと、業務改善を進めていくことができます。そうすることで、場違いな業務改善案を排除し、良質な業務改善案を生み出す基盤が整います。

「業務改善マニュアル」を作成する

良質な業務改善案を生み出す環境を整えるためには、標準化された業務改善手順が必要です。関係者全員が、各々が考える業務改善方法を実施してしまっては、プロジェクト全体での統一感が失われ、良質な業務改善案が生まれません。

しかし、業務改善マニュアルによって標準化された方法があれば、より多くの、良質は業務改善案が生まれていきます。

BPMNを活用する

BPMN(ビジネス・プロセス・モデリング表記)とは、複雑な業務プロセスを図によって可視化するためのフレームワークです。国際標準(ISO19510)にもなっていて明確な企画があるので、関係者間の共通言語としても機能します。

このBPMNを活用することで、業務の流れや業務プロセス同士の繋がりを可視化でき、原因特定や業務改善案の立案に役立ちます。

BPMソリューションの導入を検討する

ビジネスプロセス管理(BPM)ソリューションとは、業務プロセスの可視化や問題点の洗い出し、業務改善活動の監視や効果測定を、システム上で行う製品です。BPMソリューションを活用すれば、これまでにないスピードと正確さで、業務改善を進めていくことができます。

つまり、BPMソリューションを導入することで、手間と時間のかかる作業を効率化し、業務改善案の立案により多くの時間が割けます。こうすることで、より良質な業務改善案が生まれる環境を整えられるのです。

さらに、BPMソリューションによって細かいPDCAサイクルを回していくことができるので、継続した業務改善を実施することが可能です。

業務改善案は「ECRS」を基本に考える

良質な業務改善案を生み出す上で「ECRS」という考え方が有効です。「ECRS」とは、「Eliminate(取り除く)」「Combine(繋げる)」「Rearrange(組み替える)」「Simplify(簡単にする)」の4つの頭文字を取ったもので、優先的に考えるべき改善案を表しています。

  • Eliminate:既存業務の何かを取り除き、業務改善できないか
  • Combine業務を一つにまとめて、業務改善できないか
  • Rearrange:業務の順序・やり方を変更して、業務改善できないか
  • Simplify:業務を単純にして、業務改善できないか

既存業務の何かを取り除いたり、停止するという業務改善案は最もシンプルかつ簡単なものです。従って業務改善案を考える際は、まず「Eliminate(取り除く)」から考えます。「Eliminate(取り除く)」では業務改善ができないと判断すれば、次に考えるのは「Combine(繋げる)」です。何かの業務を一つにまとめたりすることは、現場での抵抗も少ない業務改善案です。

それでも業務改善にならないと判断すれば、3番目に「Rearrange(組み替える)」という業務改善案を考えます。これは、今までのやり方を一変するという業務改善案でもあるので、現場での抵抗が大きく、リスクもあります。従って、慎重に業務改善案を考える必要があります。

最後は「Simplify(簡単にする)」という業務改善案です。業務の変更や順序の組換えでも改善が見込めない場合、意外なところに業務改善ポイントがあったりします。このため「業務を今よりシンプルにできないか?」と考えることで、良質な業務改善案を生み出すことができます。

良質な業務改善案を生み出すためには、「ECRS」以外にも様々なフレームワークがあります。例えばロジックツリーやバリューチェーン分析が該当します。これらは、問題点の原因追及などに活用できるフレームワークで、問題点の具体的な原因をあぶり出します。

これにより、良質な業務改善案を生み出しやすくなるのです。それぞれの詳しい説明については「業務改善フレームワークとは」をご覧ください。

まとめ

良質な業務改善案を生み出す環境を作るためには、組織レベルでの環境構築が重要です。社員に対し「業務改善案を提出しろ」とただ命令をしても、絶大な効果が得られる業務改善案は生まれません。むしろ、業務効率の悪化や、問題を生み出してしまう結果になるでしょう。高い効果のある業務改善を推進したいのであれば、自社の現状を見つめ直し、良質な業務改善案を生み出せる環境について、考えてみましょう。

BPECを用いた業務改善プロジェクトの進め方

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