BPR(ビジネスプロセスリエンジニアリング)の失敗ケースと成功へのヒント

 2017.05.29  ビジネスプロセス改革推進室

激しい変化の時代に立たされている我々ビジネスマンにとって、常に柔軟な思考で日々業務を遂行していくことは重要です。業界によっては明日、社内の業務プロセスが一変してしまう可能性もあります。

そして中には業務改革を「自ら引き起こす」ことで全社的な業務効率化や人件費削減、組織力の強化などを狙う企業も存在するのです。そうした業務改革を目指すことを「BPR(ビジネスプロセスリエンジニアリング)」と言います。

文字通り既存の業務プロセスを再設計することで変革をもたらすという業務改革手法です。

1990年代から存在するビジネス概念ではありますが、最近になってBPRへ取り組む企業が増加しているのは、「今」を大きな変革の時と捉えている企業が多くIT技術がようやくBRPの概念に追い付いてからと言えます。

しかし、取り組みに失敗する企業も少なくありません。そこには単純でありつつも見落としがちな原因が多数存在します。

今回は、BPRを成功させるために皆さんに知っておいて欲しい情報を紹介していきます。

 

BPRに失敗する企業にありがちなケース

BPRの取り組みに失敗する企業にはいくつか特定のパターンがあります。ほとんどの企業が次のような失敗ケースを持っているのです。

「とりあえずやってみよう」で取り組む

日々現場で行われている業務改善ならまだしも、BPRで「とりあえずやってみよう」は命取りです。業務改善は基本的にIT戦略を必要としません。各部署の各従業員がそれぞれ問題と感じた点を提起し、自分たちで可能な範囲の改善案を考え実践していきます。

対してBPRにはIT戦略が不可欠です。ITソリューションの導入や改修により、様々な業務プロセスを改革していくことができます。

必然的にプロジェクトが大規模なものとなるので「とりあえずやってみよう」では取り返しの付かない状態に陥る可能性が非常に高いのです。

BPRへ取り組む効果を理解していない

例えばプロジェクトAというBRPを推進しているとき、プロジェクトAによる効果を理解していない企業が少なくありません。これはつまり「何のために推進しているプロジェクトなのか?」「ゴールはどこなのか?」を理解していないことと同義です。

結果、BRPの本質を見失ってしまいプロジェクトは失敗に終わってしまいます。

大胆な取り組みほど効果があると考えている

一番誤解されがちなのが「BRPは大胆に取り組むほど効果がある」という点です。

例を一つ紹介すると、ある企業では間接材を購入するために上長から本部長、総務本部長など5人以上の承認を必要としていました。そこで業務効率化を目指して購買業務をアウトソーシングしたはいいものの、同様の承認条件を必要としたため各承認者には承認を依頼するメールが日に数十件も届くようになったのです。

結果的にこの企業のBRPは失敗に終わっています。業務効率化のはずのBPRが、逆に承認者の負担を増やしてしまったのです。

そしてこの事例とは相対的に「小さなBRP」によって成功している企業は多数存在します。BRPは必ずしも大規模である必要はないのです。

いきなり全社的に業務改革を行った

全体最適化を図るためにいきなり全社的な業務改革を行う場合も失敗するケースが後を絶ちません。IT戦略を駆使して業務形態の変化までは行えたとしても、現場がそれに対応できなければ本当の「変革」とはならないのです。

BPRを成功に導くための方法論とは

では、BPRを成功させるために企業がどのようなポイントに注意すればいいのでしょうか?ここでその基本について紹介していきます。

スモールスタートでBPRの効果を実証する

まずはとにかくBPRで「小さな成功」を収めてBRPの効果を実証することが大切です。効果があるとわかれば組織のバックアップももらえ、BRPに対するモチベーションを維持することも可能です。

初めはスモールスタートを心がけてBRPへ取り組んでいきましょう。

最初に改革する業務プロセスを慎重に選ぶ

スモールスタートで取り組むBPRでは最初に改革する業務プロセス選びが非常に重要です。従って、業務プロセスの優先度や難易度から慎重に選んでいきましょう。

一つの目安としては「60日~90日で改革できる業務プロセス」を選ぶことです。この60日~90日というのは、BRPによる効果を実感するに十分期間であるとされています。 

PDCAサイクルを回し継続的に改革する

1990年代にBRPが爆発的に普及した時代では、PDCAサイクルによる継続的な改革という概念がなかったがために失敗する企業が相次ぎました。しかしBRPPDCAサイクルは必須です。

「改革して終わり」では本当のBRPではない上に、逆に業務を複雑にしてしまう可能性があります。

成功あるいは失敗した業務改革を分析する

BRPへ取り組む上では成功することも失敗することもあるでしょうが、いずれにしろ「何が成功要因か?何が失敗原因か?」を分析しなければなりません。分析なしにBPR成功は有り得ないでしょう。

問題点や課題の共有化を大切にする

問題点や課題だと感じる部分は人の価値観によるものなので、従業員によって差異があります。この「価値観の違い」を放置したままだと組織的にBPRへ取り組むことは困難です。だからこそ、問題点や課題の共有化を事前に行うことは重要なのです。

業務プロセスを変革するヒント

最後にBRPを実践していくための具体的なヒントについて紹介していきます。

1.統合・廃止

社内フォーマットを使用しないことの廃止

データ一元化により社内実態調査を廃止

ごく少量にしか発生しない業務の廃止

2.簡素化・削除

決裁関与者の縮小

添付文書の縮小

DB自動照合による目視チェックの短縮

ITによる庶務担当への中間経由・集約事務の廃止

3.確実化・厳密化

ITによる記入項目の定型チェック

未処理者への警告・アラームの実施

4.集約・集中

ポータルサイトによる情報の一斉通知

DB一元管理による業務効率化

5.分散化・自己責任化

月末処理から日次・週次処理への変更

ポータルサイト情報の能動的な確認

6.連携・同時処理

各業務システムの連携によるデータ入力作業の省略化

リアルタイムなDB照合による予算消費率の確認 

7.効率化・自動化

各種書類の自動生成

入力支援による入力ミスの防止

8.標準化・パターン化

汎用入力画面の利用

社員(職員)認証基盤の利用

電子決裁基盤で承認フローを省略化

ここで紹介したヒントは必ずしも全てではありません。BRPを成功させる上で重要なのは伝統や習慣にとらわれず、柔軟な思考で業務プロセスの「ムダ」を発見していくことです。伝統や習慣を否定することは「自己否定する」ことにも繋がるので難しいケースもあるかもしれませんが、業務改革のために今一度社内業務について見直していきましょう。

まとめ

文中でも述べましたがBPRにはIT戦略が不可欠です。BPRに特化したITソリューションを導入することで、既存業務プロセスを可視化したり改革案のモニタリングを行うことで導入効果などを測定することができます。

そしてBPRの規模が大きくなればなるほど、IT戦略によるBPR実現が重要になっていきます。

まずは社内業務の洗い出しと業務フローのマッピングを行った上で、何をすればBRPを実現していけるかについて考えていきましょう

サービスイメージ・事例紹介

RECOMMEND関連記事


RECENT POST「ビジネスプロセスについて」の最新記事


この記事が気に入ったらいいねしよう!