ビジネスプロセスのフローと具体的なモデリング方法について

 2017.05.29  ビジネスプロセス改革推進室

ビジネスプロセス管理へ取り組む上でまず作成するのがビジネスプロセスモデルです。BPMI(ビジネスプロセスモデリング表記)という技術を使用して、複雑なビジネスプロセスフローを体系的かつ直感的に明示していきます。

ただし、誰でも自由なフローを作成していいわけではありません。各関係者が共通認識のもと標準化されたフローを作成していきます。BPMIはそのためにも活用されているのです。

―「ビジネスプロセスモデル」とは?ではビジネスプロセスモデルの概要や簡単な作り方について説明しましたが、本記事ではもう少し具体的なビジネスプロセスフローについて説明していきたいと思います。

ビジネスプロセスフローの基本

まずは日本BPM協会より引用したビジネスプロセスモデル例をご覧ください。

BPMN例画像.jpg

引用:日本BPM協会「BPMとは?

上記の例では営業部門における請求プロセスをモデル図化していますが、ご覧の通りフローは左から右に流れています。製造業で用いられている「QC工程図」では上から下に流れていることが多いですが、BPMIでは必ず左から右に流れます。

こうした基本的な事項は関係者間で事前に共有しておかければ認識のずれが生じ、無駄な手戻りや後々のトラブルを発生させる原因にもなるので、「基本だから」という理由でスルーせずしっかりと向き合ってください。

さらに特徴をあげるとビジネスプロセスのフローは丸や四角形、矢印や点線によって表されています。例えば丸ならば細線が「ビジネスプロセスの開始」であり太線が「ビジネスプロセスの終了」を意味します。このように、各図形にはそれぞれ意味があり、それらを羅列することによって一連のビジネスプロセスを構築しているのです。

もう一つの特徴としてはビジネスプロセスモデルが横割りに3カラム形式になっている点です。これは、それぞれが当該ビジネスプロセスに関わる部門や人などを示しています。この例では顧客、営業担当、営業マネージャーがビジネスプロセスに関わっているので3カラム構成になっているということです。

実際のビジネスプロセスはさらに複雑であるため、3カラム以上は当たり前で、時に10カラム以上のビジネスプロセスモデルを作成することもあります。また、次の画像のようにシステムとの関りもビジネスプロセスモデルによって表記されます。

BPMI例画像2.gif

引用:「ビジネスプロセスマネジメント入門[第2回]3レベルビジネスプロセスモデルについて

BPMシステムによるビジネスプロセスモデルの作成

ビジネスプロセスモデルのフローの基本は「左から右へ」「適した図形や線」「関係者(関連システム)ごとの複数カラム構成」です。この基本さえ押さえていれば、ビジネスプロセスモデルを作成することはそう難しくありません。

皆さんも一度自身が関わるビジネスプロセスでフローを作成してみてください。PowerPointの操作に慣れている方なら10分そこそこで作成できてしまうと思います。

作成するのは簡単ながらもビジネスプロセスモデルを人手によって作成している企業は非常に稀です。なぜなら、どんな企業にも数十~数百のビジネスプロセスが存在し、それらが複雑に絡み合っているのことから人手による作成は困難だからです。

世界的な自動車メーカーである日産自動車のBPM事例では、実に800にも及ぶビジネスプロセスを可視化した上で標準化を行っています。
参考:「
BPM実践事例1:日産自動車~業務をいかに標準化するか

「それは大企業だからじゃない?」を考えることも多いでしょうが、大企業も中小企業も抱えているビジネスプロセスの数には大差ありません。そもそも大企業にはビジネスプロセスの数に適した人材が整っているので、ビジネスプロセスの数が多くとも負担は少なくのです。

むしろビジネスプロセスは多いのに人材が追いついていないという中小企業も少なくないでしょう。だからこそBPMに取り組むほとんどの企業がBPMシステムによってビジネスプロセスモデルを作成しているのです。

BPMI以外にビジネスプロセスモデルを作成する方法はないのか?

単刀直入に言えば、あります。BPMIでなくともビジネスプロセスモデルのフローを作成することは可能です。もっと言えば企業独自に規定した表記方法を用いて作成することもできます。

そもそもBPMIは世界標準(ISO19510)になっているというだけで「ビジネスプロセスモデルはBPMIで作成しなければならない」という規定はどこにもありません。ただ、BPMIを推奨する理由はしっかりとあります。

第一に多くのBPMベンダーやコンサルタント、BPMシステムがBPMIに準拠しているということです。例えば独自の表記方法でビジネスプロセスモデルを作成し、コンサルタントなどを依頼する場合、また新たなにBPMIによってビジネスプロセスモデルを作成しなければなりません。

BPMI推進を企業独自に進めていくことは難しいので、高い確率で無駄な業務を発生させてしまうでしょう。

そしてBPMIはプロセス駆動言語であるBPEL(ビジネスプロセス実行言語)に変換することができるので、そのままシステムに落とし込むことができます。BPMIで作成したビジネスプロセスモデルを即座にシステムへ落とし込めれば、システム開発時間をかなり短縮するこができ、短いサイクルでPDCAを回すことが可能です。

すなわちBPM取り組みにおいて重要な「細かいPDCAサイクルによる継続的な改善」を実現することができます。

BPMシステムってどんなもの?

ビジネスプロセスモデルやフロー作成を簡単にするというのはBPMシステムにとって一部の機能に過ぎません。BPMシステムとはあくまでBPM取り組み全体を支援するためのソリューションなのです。

具体的にどういった機能があるかと言うと、ビジネスプロセスモデルを作成するモデリング機能から始まり、非定型処理をパターン化するケースマネジメント機能、展開したビジネスプロセスを監視するモニタリング機能、特定のボトルネックを抽出するプロセス分析機能など多岐にわたります。

そしてその全てが貴社のBPMを実現するために存在しているのです。

もちろん、BPMシステムを導入しただけでBPMが成功するというわけではありません。全ての課題を根本的に解決する「銀の弾丸」が存在しないように、BPMシステムもあくまでBPMを実現する一つの手段です。

しかし、強力な手段であることには間違いないので、BPMに関する正しい知識を正しい運用、そこにBPMシステムが加われば効率的に業務改善を行っていくことができます。

まとめ

いかがでしょうか?どんな企業でもビジネスプロセスフローは複雑なもので、その全てを可視化するというのは、人手だけで行うにはあまりに手間と時間がかかってしまいます。そのため、皆さんにはBPMシステムを活用して直感的かつスピーディにビジネスプロセスモデルを作成し、素早いPDCAサイクルを回していっていただきたいと思います。

BPECを活用したプロセス改革のリアル

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