業務プロセスとは?定義から始めるBPM活動

 2017.06.20  ビジネスプロセス改革推進室

「業務プロセス」の定義は単なる「仕事の流れ」か?

自社で作成した業務プロセス図が単なる仕事の流れを表したものであれば、恐らくビジネスプロセス管理において有効的に活用できる業務プロセス図ではありません。BPM活動に「使える」業務プロセス図を作成するには、業務プロセスの定義をまず理解する必要があります。

業務プロセスは「プロセス間の繋がり」を示すもの

BPM活動における業務プロセスは、単に仕事の流れを表すだけでは不十分です。数多く存在する業務プロセスの「繋がり」を可視化する必要があります。

そもそもBPM活動は既存の業務プロセスにある問題点を洗い出し、再設計することで最適化していきます。そして多くの場合、業務プロセス間の繋がりに問題点が隠れていることが多いのです。

つまり、個々の業務プロセスを可視化して再設計しただけでは問題解決になりません。だからこそ業務プロセス図は部門間をまたいだ業務プロセスの繋がりを可視化する必要があるのです。

このことから、業務プロセスの定義は単に仕事の流れを表したものではなく、部門間をまたいだ業務やデータの流れ・構造を表したものだと言えます。

業務プロセスの「本来の姿」とは何か?

業務プロセスの「本来の姿」とは最適化された業務やフローを指して言いますが、何がどう最適化されれば本来の姿となるのか?これには様々な意見がありますが、ここでは「経営戦略を達成する上で最も効率的かつ効果的な業務とその流れ」と定義したいと思います。

「本来の姿」と聞いてまず、効率化されたことによるコスト削減を実現することや、業界のベストプラクティスを適用した業務プロセスを思い浮かべる方は少なくないでしょう。しかし、コスト削減自体が業務プロセス本来の姿ではないのは確かですし、業界のベストプラクティスとはつまり成功例の寄せ集めです。

業界のベストプラクティスが、必ずしも自社にとってのベストとは限らないのです。

では改めてここでの定義について逆算して考えてみます。

企業が存続していく上では継続的利益を生み出していかなければなりません。そして利益を生むためには、入念な調査やデータにもとづいた経営戦略・事業戦略が必要です。そしてこれらの戦略を実現するためには、それに取った業務プロセスで組織の流れを作り出す必要があります。

つまり経営戦略と業務プロセスという、「理想」と「現実」のギャップを埋め、経営戦略に沿った効率的かつ効果的な業務とその流れこそが、業務プロセスの「本来の姿」といっていいでしょう。

なぜ業務プロセスには度々問題が発生するのか?

業務プロセスの本来の姿を維持できている企業は多くありません。それほどに業務プロセスの最適化は難しく、数々の問題が発生します。ではなぜ業務プロセスに問題が発生してしまうのでしょうか?

業務の属人化による問題

業務の属人化とは、特定の社員のスキルに依存して、業務を標準化できていない状態を指します。つまり「会計管理のこの作業はAさんじゃないとできない」、「部品手配のタイミングはBさんじゃないとわからない」といった、特定の社員に頼らざるを得ない状況です。

こうした状況では、AさんやBさんに業務が集中してしまうため、需要業務が停滞してしまうリスクがあります。また、そうした人材に限って事業の中心人物であったりするので、特定社員の負担を大幅に増加させているのです。

伝統や慣習による問題

1990年代に終身雇用制度が崩壊してから、日本企業のビジネススタイルは大きく変わってきたと言われています。しかし、日本人としての伝統や慣習を重んじる文化が消えたわけではないので、企業によっては未だに古い伝統や慣習に倣っているケースも少なくありません。

そして、伝統や慣習にこそ業務の無駄を生んでいる原因が潜んで至ります。一人一人が伝統や慣習を重んじる気持ちは大切ですが、組織においては時にその「古さ」から脱却しなければならない時もあります。

非定型処理による問題

企業全体の業務プロセスのうち、23割程度は非定型処理です。つまり特定のパターンが存在せず、その時の状況に応じて対応を変える必要があります。こうした非定型処理は、パターン化された定型処理と違って、処理に時間がかかります。これにより業務効率性を阻害していたり、顧客満足度の低下に繋がる可能性もあるのです。

自己否定をしないことでの問題

何らの問題が発生している場合、原因は往々にして社内の業務プロセスにあります。しかし、そうした疑いの目を持てる企業というのは以外にも少ないのです。「自己否定」をしたくないがために、あるいは内部の問題に気付かないようにするために、自社の業務プロセスを疑いません。

このため問題はいつまでも放置され、いずれ取り返しのつかない段階になって、初めて問題解決へと乗り出すのです。しかし、その時には既に遅く、問題解決に長い時間と多大なコストが必要だったります。

肥大化したシステムによる問題

1990年代の汎用的なコンピュータから部門ごとに特化した業務アプリケーションが普及したことで、企業は様々なメリットを享受してきました。しかし、今ではそうした環境が、業務プロセスの問題点になっていることも珍しくありません。

部門ごとに特化した業務アプリケーションを導入したあまり、システム環境が肥大化してしまうのです。

業務アプリケーションが点在している環境下では、2重のデータ入力作業によりミスが発生しやすかったり、データの取り扱いが難しくリアルタイムなデータ分析ができないといった問題が発生します。

効果の高いBPM活動を実践していくためには?

まずは業務プロセスを正しく可視化していく必要があります。ここで言う「正しく」とは、誰が見ても業務プロセスの内容や流れを明確に理解できる、業務プロセス図を作成するということです。

そのためには統一された規格を使用する必要があります。具体的には、BPMN(ビジネスプロセスモデリング表記)を使用するのが一般的です。

BPMNは一般的な業務プロセス図ならば誰でも作成することができ、部門間の共通言語として使用することもできます。また、BPEL(ビジネスプロセス実行言語)と呼ばれるアプリケーション実行言語との互換性があるので、BPMIによって設計した業務プロセスを、システムに直接落とし込むことも可能です。

また、効果の高いBPM活動を実践していくためには、やみくもに業務プロセスを可視化するのではなく、最初にゴールを設定してから可視化することが大切です。初めにBPM活動の目的や目標を数値化して設定し、それに応じて必要な業務プロセスを可視化していくことで、効率的かつ効果の高い施策を展開していくことができます。

まとめ

人によって業務プロセスの定義はバラバラです。この状態でBPM活動を促進しても、成功する可能性は低いでしょう。だからこそ業務プロセスを確実に定義し、組織全体を同じ定義を共有する必要があります。

ここで紹介した業務プロセスの定義を活用してもいいですし、自社独自に業務プロセスを定義してもいいでしょう。

大切なのは言葉の意味を明確にして理解することです。BPM活動の際は、まず業務プロセスの定義から初めていただきたいと思います。

BPECを用いた業務改善プロジェクトの進め方

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