ビジネスプロセス管理を正しく理解して取り組みを成功させる

 2017.05.24  ビジネスプロセス改革推進室

 皆さんは「ビジネスプロセス管理(BPM)」という言葉をご存知ですか?大半の方が「知っている」と答えるのではないでしょうか。では質問を変えます。

BPMについて詳しく解説できますか?

こちらの問いに答えられる方は恐らく少ないでしょう。業務改革への取り組みにおいて今や当たり前のように語られるようになったBPMですが、その意味を曖昧に理解したまま取り組みを進めるケースが珍しくありません、

 そうしたケースに限り「BPMへの取り組みが上手くいかない」と失敗事例になってしまったり、BPMが成功したと勘違いをして実はまったく業務改革が成されていないことがあります。

何事もまずはその言葉が意味するところをしっかりと理解することが大切なようにBPMも例外ではありません。そこで、今回はBPMとは何か?をわかりやすく解説していきます。 

また、BPMを実現するための「BPMシステム」はどのようなシステムなのかについても触れていきますので注目してください。

 ビジネスプロセス管理(BPM)ってなに?

ビジネスプロセス、業務プロセスを管理するのがBPMですが、重要なのは「何を?どう?」管理するかというところにあります。「業務プロセス」や「管理」という言葉自体もその都度定義が異なるものなので、この点に関しても明確に理解しておくことが大切です。 

BPMにおける業務プロセスは主に「業務手順」「役割分担」「業務ルール」の3つを指します。さらに管理とは既存の業務プロセスを「可視化」し「再設計」した後に「適用」、その後の「監視」と「改善」までこれら全てを含んでいます。

BPMへの取り組みに失敗する多くの企業が管理について明確に理解していません。ひいてはBPR(ビジネスプロセス再設計)BPMを混同していることもあります。

BPR(ビジネスプロセス再設計)との違い

BPRは1990年代に広く浸透した業務改革手法の一つでご存知の方も多いでしょう。文字通り、既存の業務プロセスを再設計することで業務効率化や経営のスピード化を狙うという手法です。

一見同じようにも思えるBPRBPMですが、決定的な違いは「継続的な改善」を行うか否かにあります。

そもそもBPRはマイケル・ハマーとジェームズ・チャンピーの共著「リエンジニアリング革命」から浸透した概念です。同書では「抜本的かつ劇的な業務プロセスの改善」というBPMと共通のキーワードが紹介されていますが、「継続的な改善」については触れていません。

また、BPRの主たる目的はITシステムの再構築と組織のフラット化であったため、BPMとは適用範囲が違うという特徴もあります。

BPMの適用範囲

BPMの具体的な適用範囲について述べると、「1.業務の改善」「2.サービスや営業活動の改善」「3.システム再構築」という3つのテーマが中心になります。

  1. 複数の部門や業務システムにまたがって行われる統合型業務において、各関係者が業務の手順や仕事のやり方、状態を共有しチームワークを強化する
  2. 顧客からのカスタム要望やクレーム対応など多様なニーズが存在する場合において、その内容に応じて的確な対応を行うための業務手順や情報を、迅速かつ的確に実行する
  3. 業務プロセスごとのシステムへの要求を定義し、実際に業務プロセス単位でシステムを再構築する

 参考:日本BPM協会「BPMとは」

「3.システム再構築」においては既存業務システムを再構築することはもちろん、BPMシステムを導入することで実現する部分が多く、導入を検討する必要があります。

BPMN(ビジネスプロセスモデリング表記法)について

もう一つBPMNに重要なキーワードであるBPMNについても解説しておきます。

 BPMNは業務プロセスを体系的に可視化するための「記法」であり、仕事の始め方、役割分担、各担当の仕事内容、顧客とのやり取りなどのフローを記号を使って表記していきます。

BPMNは「IOS19510」として国際標準にもなっており、BPMへの取り組みにおいて習得は必須とも言われています。業務プロセスの可視化や再設計を行う上で、必ずしもBPMNしか記法が存在しないというわけではありません。しかし、国際標準にもなっているBPMNを使用する方が何かと適用範囲を広げることができます。

BPMシステムを導入して変わること

BPMという業務改革手法よりも曖昧に理解されていることが多いのがBPMシステムです。単純に考えれば「BPMを実現するためのシステム」になりますが、実際はより複雑で使いこなすためには深い知識が必要となります。

具体的には様々な情報とシステムの流れを捉えて、的確な業務運用を改善をサポートするためのシステムです。例えば複数部門において分断化されていた業務をBPMシステムで統合したり、再設計した業務の実行を監視することで改善点を洗い出し、継続的な業務改革を行えるように支援してくれます。

そのためにBPMNに準拠したモデリングを行うための業務設計機能や、業務改革が正常に行われているかを判断するためのモニタリング機能などを提供します。また、製品によってはHTML5XFormsCSSSOAPなど業界標準に対応したUIデザイナーでシステム画面を構築することも可能です。

BPMシステムを導入するメリット

BPMシステムを導入、並びにBPMへ取り組むことで得られるメリットは多岐にわたります。よく言われるのが「業務プロセスの課題を見つけられる」や「組織的な業務効率化が進む」といったものですが、これらはメリットというよりもBPMへ取り組む上で「当たり前に」発生するものです。 

BPMシステム導入やBPM取り組みへのメリットは、実はもっと他の部分にあります。

第一に「現場主導で業務改革に取り組める」ようになります。BPMシステムは全社的に活用するシステムであり、各部門の責任者が業務プロセスを設計し、かつ監視まで行うことができます。つまり、現場に一番近いところで業務改革を行えるため、机上の空論ではない改革を進めることができます。

第二に実績を確認しながら継続的な業務改革を行っていくためPDCAサイクルが定着化します。現場にPDCAサイクルが定着すると、個人単位で業務効率化を実現することができるので組織全体での効率化効果が望めます。

さらに業務プロセスが急遽変更になった際も、柔軟に対応できる企業体質づくりが可能なので、経営環境の変化に対する柔軟性が養われます。

他にも様々なメリットがありますが、共通して言えることは「BPMシステムやBPMによって組織力が強化される」という点です。

まとめ

いかがでしょうか?BPMへの取り組みやBPMシステム導入を確実に成功させていくためには、まずそれぞれの理解を深めていくことが大切です。それも、表面的な理解ではなく深い理解です。少なくとも企業のトップがBPMBPMシステムを十分に理解していないと、取り組みや導入は失敗に終わる可能性があります。

もちろん、深く理解するだけでなく導入や取り組みのポイントを知り、しっかりと押さえた上で進めていくということも重要です。BPMへの取り組み及びBPMシステム導入のポイントについては、また別の機会に解説していきます。

BPECを用いた業務改善プロジェクトの進め方

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