業務改善手法のご紹介

 2017.08.15  ビジネスプロセス改革推進室

業務改善には様々なものがあります。効率良いメール活用術など個人レベルのものから、業務プロセスを変更など組織レベルのものから、その規模も種類も異なります。しかし、最終的な、「顧客への提供価値を高める」という目標は同じです。

効率良いメール活用術で顧客へのレスポンス作業が高速化すれば、結果として顧客満足度の向上になります。業務プロセスを変更して、以前よりも迅速な商品・サービス提供を実現すれば、これもまた顧客満足度向上に繋がります。

さらに、こうした業務改善は品質向上・コスト削減・納期短縮といった、自社にとっても高い効果のあるものです。このため、すべての企業が大なり小なり、業務改善ニースを持っていると言ってもいいでしょう。

今回は、そんな業務改善を進めていくための手法について紹介していきます。

「業務改善とは何か?」をまず明確にすること

社内で業務改善を推進する上で大切なことは、「業務改善とは何か?」ということを明確にし、全体で共有することです。実は、「業務改善」という言葉には明確な定義がないため、人によって捉え方が違います。

一人は「コスト削減を目指すことだ」と言えば、もう一人は「業務効率をアップするものだ」と答えます。そのどれもが正解なのですが、問題なことは、関係者が異なる認識で業務改善を進めてしまうことです。

そうすると、同じ目標を掲げていても、業務改善の進め方に相違が出てしまい、結果として一貫さのない取り組みになってしまいます。だからこそ、業務改善を社内で定義し、これを全体共有する必要があります。

「業務改善」定義の参考

業務改善の定義というのは、業界全体で共通している必要はありません。業務改善自体、社内で推進していくものなので、社内全体で共通の認識が取れていれば問題はないでしょう。ここで、一つの参考として、業務改善の定義を紹介します。

まずは「業務」と「改善」に分けて考えます。

業務とは、人・モノ・金という企業資源を、顧客へ提供できる「価値」へと変換するためのものです。自動車製造メーカーなら、数万点に及ぶ部品と組立設備と、そこに投じる人材と資金を、最終消費者が搭乗する「自動車」という価値に変換しています。

コンサルティング会社なら、人材やそれぞれが持つノウハウ、さらに時間という資源を、顧客ビジネスの支援という価値に変換しています。このように、業務とは「企業資源を、顧客へ提供できる価値へ変換するもの」です。

では、改善とは何でしょうか?言葉の意味としては、「物事を改めて、良くすること」となります。つまり、上記の業務の定義を合わせて考えれば、業務改善とは「企業資源を顧客提供価値へと変換するプロセスを改め、良くすることで、顧客提供価値を向上するための活動」だと定義できます。

こちらの定義はあくまで参考です。必ずしも、この定義とまったく同である必要はないでしょう。しかし、業務改善の本質を捉えた定義でなければ、取組みが失敗に終わる可能性が高いので、慎重な定義が必要です。

業務改善を進める5つのステップ

業務改善を明確に定義し、社内全体での共有ができたら、実際に業務改善へと取り組んでいきます。ただし、業務改善とは場当たりに取り組んで効果が出るようなものではありません。手順を踏み、正しい取り組みを実施することで、初めて効果を発揮します。ここでは、その手順について紹介します。

1.現状把握

目指している業務改善が、効率良いメール活用術など個人レベルのものではなく、顧客提供価値を大きく変えるような組織レベルのものであれば、社内業務の現状把握が第一のステップとなります。簡単に言えば、現状把握とは業務・情報・人・モノ・カネの流れを整理し、目に見えるようにすることです。

そのうち最も重要なことは、業務を可視化することでしょう。組織レベルでの業務改善を実施するためには、業務と業務プロセス全体を見渡し、それぞれの繋がりを明確に把握しなければなりません。でなければ、「業務Aの改善には成功したが、業務Bに影響が出てしまった」という事態になります。

2.問題発見

現状把握が完了したら、どこに問題があるのかを特定します。このとき有効な手段が、現場従業員へのヒアリングです。現場のことは、現場の従業員が一番理解しています。そのため、問題発見のためにヒアリングすることが重要です。

しかし、現場従業員は、現場の問題をなかなか話してはくれません。ヒアリングする当人が、立場が上であるほどその傾向は顕著になります。なぜなら、問題を正直に話し、現状業務から大きく変更してしまうことを恐れるためです。

現状からの変化を好まない人が多いように、現場でも、現状業務から変更することに抵抗がある、という人が少なくありません。もちろん、そういった人ばかりではありませんが、変化を好まないという心理を人間は持っています。

ならばどうすればいいのかというと、業務改善プロジェクトの一員として、予め現場従業員を巻き込むのです。そうすれば、現場に潜んでいる問題を、スムーズに調査することができます。

3.問題分析

問題を特定できたら、問題分析によってその原因を追究します。このためには様々な分析手法を用いるのが一般です。代表的な手法としては、ロジックツリーなどがあります。ロジックツリーとは、一つの問題から枝分かれした分析を行っていくことで、根本的かつ複数の原因を特定するのに用いられます。

詳しい方法やその他の分析手法については、「業務改善フレームワークとは」をご覧ください。

4.対策立案

問題の原因追及も済んだら、その優先度に応じて対策案を考えていきます。その際は、「ECRS」というフレームワークに従って、考えていくと良いでしょう。

  • Eliminate:既存業務の何かを取り除き、業務改善できないか
  • Combine業務を一つにまとめて、業務改善できないか
  • Rearrange:業務の順序・やり方を変更して、業務改善できないか
  • Simplify:業務を単純にして、業務改善できないか

上から順に、対策案を優先的に考えていき、最善策を立案します。

5.対策実施

対策実施において最も大切なことは、リアルタイムでその効果を測定していくことです。対策を実施したら終わりではなく、その効果を測定することで、業務改善が成功か否かを判断するための材料を調達します。

6.対策評価

リアルタイムな効果測定で得た情報をもとに、今回の業務改善を評価します。その結果、効果が高いと判断すれば現場へと定着させていき、そうでなければ再び現状把握から業務改善をやり直します。大切なことは、これらのステップを一つのサイクルとして、繰り返し行い、徐々に業務改善品質を高めていくことです。

現状把握に役立つBPMN(ビジネス・プロセス・モデリング表記)

最後に、現状把握にはBMPNという手法がおすすめです。これは、国際標準(IOS19510)にもなっている「ビジネス・プロセス図」を作成するためのフレームワークで、社内全員が共通認識のもと、図式化した業務プロセス図を作成することができます。

これにより業務の流れや、業務プロセス間の繋がりを可視化することができ、現状把握に大いに役立ちます。あるいは、BPMNなどその他の業務改善規格に準拠したビジネスプロセス管理(BPM)システムを導入すると、業務改善速度が大幅に向上します。

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